はじめに
暑い時やスポーツ時にマスクを着けていると、「蒸れて不快」「息苦しい」と感じることは少なくありません。
そのようなマスク着用時のお悩みを少しでも軽減できないかと考え、私たちはシルクマスクを開発しました。そもそも、なぜマスクは不快に感じてしまうのでしょうか。
そして、なぜシルクマスクは比較的快適に感じられるのでしょうか。ここでは、その理由についてご紹介いたします。
マスク選びの際の参考になれば幸いです。
1．マスク着用時に起こる不快感の原因とは
マスクが蒸れる理由
マスク着用時に不快感を覚える大きな原因は、マスク内部の「蒸れ」 にあります。
現在、市場にはさまざまな不織布マスクが流通していますが、多くはウイルスや菌、花粉などを通しにくい高密度フィルターを採用しています。分子の小さなものを防ぐためにはフィルターの密度を高める必要があり、その結果、どうしても通気性は低くなってしまいます。
通気性が悪いと、呼気がマスクの内側にこもりやすくなり、湿度や温度が上昇しやすくなります。これが、マスク着用時に感じる蒸れや息苦しさの主な原因です。
さらに、マスク内が高温多湿な状態になると、雑菌やバクテリアが繁殖しやすくなり、肌環境にとっても好ましい状態とは言えません。乾燥や肌荒れの原因になることもあります。
特に、スポーツ時や暑い夏場は、気温や体温の上昇に加えて汗もかきやすく、マスク内部の湿度や温度がさらに高まり、不快感を強く感じてしまうのです。
2. 何故シルクマスクがおすすめなのか？
放湿性・吸湿性・通気性に優れている
シルクは、天然素材の中でも通気性に非常に優れた繊維です。
水分を吸収する「吸湿性」と、余分な湿気を外へ逃がす「放湿性」の両方をバランスよく備えています。吸湿性については、綿の約1.5倍ともいわれており、シルクがいかに湿度調整に優れた素材であるかがうかがえます。
では、なぜシルクは吸湿性・放湿性に優れているのでしょうか。
シルク繊維は「多孔質構造」と呼ばれ、繊維と繊維の間に非常に多くの微細な空間（孔）を持っています。
さらに、「フィブリル」と呼ばれる繊維の束と束の間にも空気層が形成されており、この空気層がクッションのような役割を果たします。
この構造によって、その時々の環境に応じて湿度や温度を自然に調整することができ、暑い時には涼しく、寒い時には温かく感じられるという特性が生まれます。
マスク着用時に感じる蒸れや不快感がシルクマスクで軽減されるのは、マスク内部を常に快適な湿度と温度に保とうとする性質があるためです。
また、外気温の影響を受けにくいことから、夏場やスポーツ時など、体温や発汗量が増える場面でも比較的快適にお使いいただけます。
こうした理由から、シルクマスクは蒸れや息苦しさが気になる方におすすめの素材なのです。
3．暑い季節にこそ、シルクマスクがおすすめです
夏場特有の、照りつけるような強い紫外線。思い出すだけでも暑く感じてしまいますよね。
暑い季節にマスクを着用することは、蒸れや息苦しさを感じやすく、状況によっては熱中症のリスクも気になるところです。
一方で、夏の強い紫外線は日焼けやシミ、そばかすの原因にもなるため、肌を守るための紫外線対策も欠かせません。
「できれば、しっかり紫外線対策ができるマスクを選びたい」
そう思われる方も多いのではないでしょうか。
では、なぜ暑い季節にシルクマスクがおすすめなのでしょうか。
繭が持つ、3つの優れた特性
1．吸湿性・放湿性・通気性に優れている
前述のとおり、繭は内部の蚕が快適に過ごせるよう、適度な温度と湿度を保つ構造になっています。
そのため、汗をかいてシルクマスクが濡れてしまっても、水分を素早く吸収し、放湿してくれるため乾きが早く、汗によるベタつきや蒸れを感じにくいのが特長です。
2．静菌性（菌の増殖を抑える働き）
蚕を外敵から守るため、繭の内部では菌が繁殖しにくい環境が保たれています。
この性質は「静菌性」と呼ばれ、シルク素材にも受け継がれています。マスク着用時は、呼気や汗によって内部が高温多湿になりやすく、雑菌が増殖しやすい環境になりがちです。
しかし、シルクが持つ静菌性の働きにより、蒸れた状態であっても菌が増えにくく、清潔な状態を保ちやすいといわれています。
3．紫外線を吸収・遮断する性質
シルクは、もともと繭の中にいる蚕を守るために作られた天然素材です。外部からの強い刺激である紫外線から蚕を守るため、繭は紫外線を吸収し、内部に紫外線の影響が届かないように働きます。
そのため、シルクは紫外線を受け続けると徐々に黄変していく性質があります。これは劣化というよりも、蚕を守るために紫外線を吸収してきた結果によるものだといわれています。
シルクは、繭から糸へ、そして生地へと姿を変えたあとも、この「守るための性質」を受け継いでいます。蚕を守るために備わった機能が、今もなお私たちの肌をやさしく守ってくれる。
そこに、シルクという素材の持つ自然の力と奥深さを感じずにはいられません。
シルクは、もともと蚕を外部の刺激から守り、繭の中で快適に過ごさせるために生まれた天然素材です。吸湿性・放湿性・通気性に優れ、蒸れやすい環境でも快適さを保ちやすく、さらに静菌性や紫外線を吸収・遮断する性質も備えています。
これらは、後から人工的に加えられた機能ではなく、蚕を守るために自然の中で育まれてきた、
シルク本来の力といえるでしょう。
さまざまな機能を持たせた化学繊維のマスクもありますが、自然のしくみの中で育まれたシルクの持つ機能性は、やはり特別なものといえます。
暑い季節や、マスクの蒸れ・不快感が気になる時こそ、自然素材ならではのやさしさと心地よさを持つシルクマスクの特長を、ぜひ実感してみてください。
4.シルクマスクの素材について
ひとくちに「シルク」といっても、使用されている糸の種類によって、その性質や肌ざわりは大きく異なります。シルクは、主に使用する糸の違いによって次のように分類されます。
- 正絹（しょうけん）
生糸100％で作られたもの - 絹紡糸（けんぼうし）
生糸を取る際に出たくず糸を集め、短繊維として紡績したもの - 絹紡紬糸（けんぼうつむぎいと）
絹紡糸を作る工程で出た、さらに短い繊維から紡績したもの
このほかにも、屋外で飼育された蚕の繭から作られる野蚕糸、撚りをかけて作られた撚糸（ねんし）・玉糸、真綿や紬糸など、シルクには非常に多くの種類があります。
私たちが選んだ素材「正絹ニットシルク」
シルクマスクの素材として、私たちが提案しているのは正絹（生糸100％）を使用したニットシルクです。
ニット状に編まれているため、伸縮性があり、ふんわりとしたやわらかな肌ざわりが特長です。
市販されているニットシルクマスクの多くは、**絹紡糸（けんぼうし）**を使用したものですが、当店ではあえて、正絹ニットを採用しています。
絹紡糸ニットと正絹ニットの違い
① 絹紡糸（けんぼうし）ニット
絹紡糸は、繭から糸を取り出す際に途中で切れてしまった短い繊維を集め、糸として紡績したものです。繊維が短いため、洗濯を繰り返すうちに毛羽立ちが目立ちやすくなる傾向があります。
② 正絹（しょうけん）ニット
正絹ニットは、繭から引き出した1本あたり1,000m以上にもなる非常に長い糸を何本か束ねて編み上げた生地を使用しています。長繊維を使用しているため、洗濯を繰り返しても毛羽立ちにくく、肌への摩擦や刺激を抑えることができます。
肌ざわり自体は、絹紡糸ニットと正絹ニットで大きな差があるわけではありませんが、毛羽立ちの少なさという点で、正絹ニットの方がよりやさしい着用感といえるでしょう。
超敏感肌の方にも、やさしく
特に超敏感肌の方は、わずかな刺激でもかゆみや違和感を感じてしまうことがあります。
そのようなお悩みを少しでも軽減できればと考え、当店ではあえて高価な正絹ニットを使用し、
シルクマスクを製造しています。これまでシルクマスクを使用しても肌荒れの改善を実感できなかった方にも、ぜひ一度、当店の正絹ニットシルクマスクをお試しいただけましたら幸いです。
5．暑い時やスポーツ時におすすめのシルクマスク
暑い季節やスポーツ時は、汗や呼気によってマスク内部が蒸れやすくなります。
そのため、シルクマスクを選ぶ際には、汗を素早く吸収し、ベタつきにくいことが大切なポイントです。
また、汗をかいたときに生地が肌に張り付いてしまうと、不快感だけでなく、摩擦による肌トラブルの原因にもなります。縫製や立体構造に工夫があり、肌に密着しすぎない設計のものを選ぶと、より快適にお使いいただけます。
さらに、耳まわりや口元に負担がかかりにくいこと、動いてもズレにくいフィット感があることも、スポーツ時には重要なポイントです。
6.まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は、シルクマスクが暑い時期やスポーツ時にもおすすめできる理由と、この季節に適したシルクマスクの選び方についてご紹介しました。マスク着用時の蒸れや不快感、汗によるベタつきや肌への負担など、暑い季節ならではのお悩みは少なくありません。
そのような中で、シルクが本来持つ吸湿性・放湿性・通気性や、肌へのやさしさが、少しでも快適に過ごすための助けになれば幸いです。
暑い中でもマスクをしなければいけない方々が、少しでも心地よく過ごしていただけるよう、本記事の内容がマスク選びの参考となれば嬉しく思います。
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